あらすじ
物語のヒロインとなる少女の名はエリナ、冒険者である。
本人はもう“駆け出し”ではないと思っているが、世間はまだまだそう見てくれない。
◇
ある日、ダンジョンを探索していたエリナは、ひとつの宝箱を見つけた。
もちろん、開けない理由はない。
中身に期待しながら開けてみるエリナだったが、期待に反して宝箱の中身は襲い掛かってきた。
──しまった、罠だった!?
そう思ったときには時すでに遅く、身体に何かが絡み付いてきた。
慌てて引き剥がそうとするも、逆に自分の防具を脱がされてしまう。
露わになった肢体に、ぬるりとしたモノが絡み付いていく。
エリナは一瞬のうちに、防具を取り替えられてしまった。
その防具は、どう見ても防具には見えなかった。
というより、触手が絡み付いているようにしか見えない。しかも、ほとんど裸身も同然である。
当然のごとく外そうと試みたエリナだったが、どうやっても外せない。
どうやら、呪われているらしい。
◇
羞恥に耐えながら町に戻り、解呪屋に駆け込むエリナ。
しかし、そこで請求された額は所持金を大きく超えていた。
今のエリナの稼ぎでは、支払えるまでに少なくとも半年かかる。
──まさか、それまでこのままっ!?
それは絶対に御免だと考えたエリナは、なんとかならないかと必死に尋ねる。
どうやら装備してしまったのは古の呪具らしく、解呪に特殊な魔鉱石を必要とするらしい。
だが、必要な魔鉱石を自ら用意すれば、格安で解呪できるようだ。
◇
こうしてエリナは、魔鉱石が採れるという村、ノイエルへ旅立っていった。