BLOODY BRIDE

STORY

むかしむかし──といっても、よく知られた世界なら19世紀にあたる頃、
とある屋敷で一人の少女が働いていました。

年齢よりも小柄な、金髪碧眼の少女でしたが、
しかし屋敷では、薪を割るのが日課でした。

それというのも、炊事すれば皿を割り、掃除すれば壺を割り、
「どうせ割るなら薪にしろ」と、誰かが言ったとか、言わないとか。

もっとも見かけによらず、力仕事は得意だった彼女は、
特に不満もなかったようですが。




──そんな彼女が、
死の気配が立ち込める森に入るところから物語は始まります。

少女の紅い双眸が見つめる先は──